平成から令和へ変わった昨今も、様々な詐欺が変わらず横行しています。
毎日ニュースで見ているし【自分は絶対に大丈夫】誰もがそう思うのですが、それでも詐欺に遭ってしまう人は後を絶ちません。
実は先日、私（40代…中年）にも詐欺の電話が掛かってきました。
内容を端的に纏めると「自称、警察関係の弁護士より。私の実父が人身事故を起こし、逃げている。防犯カメラから父の身元判明。本人とどうしても連絡が取れないので仕方なく子供の私にかけている。相手は大事にしたくはないので示談を求めている。示談金の相談」でした。
理由は後程書きますが、最初から詐欺だと解っていたので、慌てる事なく「どうして警察からじゃないのか？」「どうやって私の番号を知ったのか？」「何故、家ではなく私なのか？（※私は３人兄弟の末っ子）」等の質問をしてみました。
勿論、詐欺師の皆さんもその手の質問には慣れているのか…
「お電話口の方のご本人確認をしたいのでお名前お聞かせ下さい」（※今回は一度も私の名前も事故を起こしたという父の名前も電話口で言ってこなかったので、適当にかけた電話のようです。これ、絶対言ってはダメ）
「では実家の番号とお母様のお名前を教えて下さい」（※これも絶対教えてはダメ）
「警察関係ですし、個人情報を捜査する権利があるので判明した」
「家族の誰にも繋がらず、貴方にしか繋がらなかった」
「大事にしたくないという相手の厚意」
「このままだと実刑は免れない」
「皆さん、その方に限ってそんな事はしないと仰いますが、恐らくご本人も気が動転してしまったのでしょうし…」
等々、それらしい返事を用意していて、更にこちらの思考を奪う様に語気に緩急をつけてパニック状態になるように誘導してきました。
ですが――
私の父は既に鬼籍に入って10年近く経過している為、どう頑張っても交通事故を起こしようが無いのです。 それですぐに詐欺と気付く事が出来ていたので、こういう会話をする余裕がありました。
ただ、逃げた父が悪いとしつこく言い出してきたので「父の名誉の為にも言わせて頂くと、そんな事をする筈は無いです。…が、本当に父で間違いがないと言う事であれば、いい大人なので本人に責任取ってもらって下さい。万が一、示談に必要なお金を貸してほしいと本人が言うのであれば、本人が土下座して頼むのが筋なので。因みに土下座されてもお金を出す事はしないので、しっかり本人に刑事責任をとってもらう方向で構いません。逮捕するなら納骨堂には絶対に居ると思うから行って下さい」とお答えした所、
「納骨堂ってどこ？聞いた事ない地名だし適当な事言うな。大体、その本人に連絡取れないからアンタにかけている」と。
……ん？地名？？？
……納骨堂の意味、知らない？ ……大変不謹慎ながらここで我慢出来ず爆笑。
納骨堂とは火葬した遺骨を納めている場所ですと説明すると、一通りの罵詈雑言の後で電話は切れました。
今回は対象の父が既に他界していたので、すぐに詐欺と気付き慌てる事もありませんでしたが、電話の冒頭で弁護士や警察関係と名乗られた時は「え？なんで？」とはビックリしたのは確かです。
もし父が生きていたら…別の身内が対象だったら…と置き換えて考えると、あの電話の流れで詐欺と判断出来たかどうか、正直に言えば【絶対大丈夫】とは言えない自分がいます。 相手は悪い言い方をしてしまえば騙すのに慣れていて、人の思考を混乱させる事にも長け常に斜め上をくるので、【自分は絶対に大丈夫】という事は決してないのだなと改めて感じました。

被害もなく（一応の届出はしてます）良い勉強になりましたが、私のケースは本当にお粗末なもので名前や住所等を知らず、適当に電話をかけてきていた数撃てば当たる詐欺です。が、中には個人情報を駆使し用意周到に相手を信じ込ませ追い詰めていく詐欺も多数存在します。
令和になった瞬間のカード詐欺、警察や法務省等の国を語るメールや、当選金の配当（何の当選かは謎）のハガキが届く等々、本当にあの手この手を考えますが、そのある意味凄いエネルギーを騙す事に費やすのではなくもっと良い内容の方向で使えば、もう少し優しい世の中になるのではないかなと思う今日この頃です。
何事も【絶対に大丈夫】という事は、それこそ【絶対に】ありえないので皆さんもどうか日々お気を付け下さいね。
因みに、この詐欺電話には笑ってしまう後日談があります。長くなったので、それはまたの機会に。